日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

2022年10月26日人に伝わる話し方をするために重要なこととは?



★話すネタが思いつかない


日本話し方センターの2日間集中セミナーでは、受講生に2分間のスピーチを3つ作成して発表トレーニングをしてもらっています。スピーチのテーマは「失敗談」「うれしかった体験談」「このセミナーで学んで得たこと」の3つです。しかし、残念なことに、これらのスピーチがなかなか作れない、という受講生がたまにいます。話を聞いてみると、失敗したと思ったり嬉しいと思ったりしたことがなかなか思い出せない、と言うのです。
私たちは日常で失敗したりうれしく思ったりという経験は常にしているはずです。例えば、忘れ物をして困った話や、人の話を聞き間違えて相手の意図と違うことをしてしまった話、仕事でお客様に感謝されて嬉しかったことなど。そうした日常で接する物事について考えたり感じたりすることで話のネタは必ず得られるはずです。しかし、セミナーでそうしたエピソードを思いつかない人は日常の出来事のほとんどを心に留めずにいるのだと思います。





★事実だけ話す


一方、話題が思いついてスピーチ原稿を作成しても、そこには事実しか書かれていない、という例も散見されます。例えば、このような原稿です。
「自分のスキルアップのために、ある資格を取ることに決めた」「テレビや遊びを控えて、毎日継続的に勉強した」「その甲斐あって無事に資格を取ることができた」。こうした事実だけを述べる話は聞いていて面白くありませんし、印象にも残りません。
これを聞いてもらえる話にするには、次のようなことを加える必要があります。「スキルアップしようと考えたきっかけは何か」「毎日の勉強をどういう思いでしたか」「もうやめようと思ったことはないか、あるならばその時なぜやめなかったのか」「合格できた時、どんな気持ちだったか」「これからその資格をどう活かそうと思うか」。このような考えや気持ちを話に盛り込むことで、話は格段に面白くなり、聞いてもらえる話になります。
では、なぜこのような要素が必要なのでしょうか? それは、聞き手にスピーチを聞きながらその話に共感してもらうためです。人は、物事や話を理解する時に必ず感情が動きます。聞き手の感情を動かすためには事実の羅列では不十分です。自分の考えや気持ちを加えることで、共感され、理解されるのです。



★常に考える、感じる


話し方を上達させたり、人に「なるほど!」と思ってもらえる様な話ができるようになるには、身につけなければならないものが色々とあります。その中で重要なことは「常に考える、感じる」ということです。日常生活においても常にアンテナを張って、心が動いた出来事を記憶に留めるようにしましょう。また、そうした心が動いた出来事について掘り下げて考え、自分の気持ちやその時の考えを付け加えておきましょう。そうすれば、朝礼のスピーチのネタに困ることもありませんし、職場での雑談で何を話せばいいかわからない、ということもないでしょう。


そして、「常に考える、感じる」ということは、ビジネスにおいてもとても大切です。単に事実を報告、伝達するだけでなく、そこに自分の意見や気持ちを添えることで、相手に理解してもらいやすくなりますし、あなたの人柄も相手に伝わります。
例えば、「R社に納品する商品、P社から今日届きました」と何気ない報告事項も、「R社に納品する商品、予定より1日早く届きました。P社は対応がいつも早いので安心です。それに1日早く届ければ、R社の我が社への信頼も高まります」と報告すれば、上司は状況がよりよく理解できます。また、あなたが仕事のことをよく把握しており、取引先のこともきちんと考えていることも理解されるでしょう。


伝わる話をする、日常会話が上手くなるためには、「常に考える、感じる」という姿勢が欠かせません。ぜひご留意ください。



★話し方を体系的に学びましょう!


日本話し方センターのベーシックコースでは、話し方のテクニックはもちろん、相手に共感してもらえる話ができるようになるために必要な要素を網羅的に伝授し、トレーニングしているコースです。70年の歴史がカリキュラムの質の高さを証明しています。どんな様子なのか、ぜひ無料体験教室に参加して、ご自身でお確かめください!

>横田章剛のブログTOP